忍者ブログ
画家・榎並和春  2011/3からHPアドレスが変ります。 → http://enami.sakura.ne.jp
[664]  [663]  [662]  [661]  [660]  [659]  [658]  [657]  [656]  [655]  [654
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




 
 明日から山口画廊個展です。
── こえをきく ── 
榎並和春展
 2010年 5月26日 (水) ~ 6月14日 (月) 火曜定休
      【 6月12日 (土)・13日 (日) 作家在廊 】
山口画廊
〒260-0033
千葉市中央区春日 2-6-7 春日マンション 102
Tel.&Fax. 043-248-1560
 
http://home1.netpalace.jp/yamaguchi-gallery/profile/profile.cgi
より転載
********************************
    
「見えないものを観る、聞こえないものを聴く、その時々の心の『こえをきく』事が、私の仕事だと思う」

内なる対話から生まれ出る、言葉なき思索の絵画。長い人の営みが、幾重にも堆積した様な画面から、いつしか静かなる祈りの声が響く。個展第2弾、再び瞑想の旅路へ。
 
Enami Kazuharu  (1952 ~ )
 
「もう既に分かっている事を描いても、面白くない。それよりも私は何故それに引っかかりを感じたのか、その『想い』の中味を知りたい。それを選んだ自分を 知りたいと思うのだ」

あたかも長い歳月に風化された岩壁の様な、深い趣を湛える地塗りの上に、どことなく古いイコンを思わせる人物像が、茫洋と静かに浮かび上がる。修道士・旅芸人・楽師・道化師、そして何処へ向かうとも知れない放浪者等々、そのどこか中世的な作中の人物像は、見る者をいつしかゆったりとした瞑想の時空へといざなう。

思索する画家、榎並和春。
未知なる魂の形象を求めて、ひたすらに自己を掘り下げる内に、その世界は表層的な虚飾を離れた、より根源的な領域へと到る。作風の深化に伴って技法も大きく変化し、初期の構成的な油彩表現から、一年間のイタリア研修を境に、アクリルエマルジョンを用いた独自の混合技法へと発展した。

現在は麻布や綿布を貼付したパネルに、壁土やトノコ等を塗り重ねて下地を作り、布等のコラージュを自在に交えながら、墨・弁柄・黄土・金泥・胡粉等々、様々な画材を用いて地塗りを重ね、やがてそこ浮かび上がるフォルムを捉えて、独特の人物像を現出させる。おそらくは、その幾重にも絵具を塗り込み、かけ流し、たらし込み、消しつぶし、また塗り重ねるという作業の中で、来たるべき「何か」を飽く事なく求め続ける事、それが榎並和春という画家にとっての、「描く」という行為に他ならないのだろう。

それはまた、画家がイタリアの古い教会や祠で出会い、心打たれた幾多の無名画家達に寄せる、時空を超えたオマージュなのかも知れない。

表層的な特異性のみがもてはやされ、精神性が大きく欠落した現代の美術界で、真っ向から精神の内奥を指向し、始原の祈りを希求する榎並和春の存在は、これからいよいよその意義を増して行くものと思われる。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
**
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]


(Design by 夜井)