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画家・榎並和春  2011/3からHPアドレスが変ります。 → http://enami.sakura.ne.jp
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はる 2805
 映画「おくりびと」を観た。涙腺が弱くなっている私などは隣の人に恥ずかしいほどポロポロと泣いてしまったが、今から考えとなぜそんなに泣けたのか分からない。

 いずれはそう遠くない未来にこの世からいなくなる。私が先か、あなたが先か、そんなものは神のみぞ知る。残された人のことを考えたりすると、ちょこっと感情が高ぶって泣けてきたのかな。

 納棺師という職業が実際に今もあるのかどうか、単に葬儀やの一部になってしまっているようにも思う。葬儀には年に何度か参加するけれど、自分の身内でもない限り納棺に立ち会うことはほとんど無い。

 納棺が故人と接する最後の儀式とするなら、告別式や初七日の法要などより大切な儀式かもしれないな。焼かれて骨になってしまえばきれいさっぱりあとくされもない。あっけらかんとしたものだ。「千の風」になって世の中を吹き荒れても何の感慨も無い。まぁ本当はそれでいいようにも思うなぁ。いつまでもうじうじされたんじゃたまったもんじゃない。

 黒澤明の「夢」の中で、葬式の話が出てくる。笠置衆が菅笠をかぶってこれから葬儀の行列に参加するために鈴を持って出かける。強烈なブラスの音楽が行進曲のようなものを奏でている。泣いている人など誰もいなくて「やっせやっせさっさっさ」と楽しげに踊っている。あんなのでいいのじゃないかな。
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