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画家・榎並和春  2011/3からHPアドレスが変ります。 → http://enami.sakura.ne.jp
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 最近はキャンバスを購入することがなくなった。もっぱらパネルに適当な綿布を張り込むか、コーヒーのズタブクロをもらってきて解体して張り込むことが多い。上の写真はホームセンタで売っている園芸用の麻布です。これは少し荒らすぎる(布の目)のところもあるけれど、それを反対に利用すれば使える。兎に角画材としては破格に安価である。

 私がミクトメディアに移行したきっかけはコラージュを含めて色んな材料を画面の中に持ち込めるという特質からだ。油彩の作家でもコラージュしている人は多いけれど、どうしても油彩とコラージュとはマッチしないように思えるのだ。油彩でゆくなら徹底的に油彩の画材を研究してそれに適した作画方法を考えるべきだ。私的に考えるならば、油彩画は光沢のある滑らかな絵肌が適している。そういった画材なのだ。

 印象派以降絵画はどんどん解体された。始めは色から、次にその支持体や絵の具まで綺麗に解体されて既成の売られているものをそのまま買ってきて絵を描くという時代は平和な時代だったんだな。まぁそれがもっと進めば絵など描かなくてもその考え(コンセプト)さえしっかりしていればいいなどというへんてこりんな理屈も有りになる。

 ちょうど我々が学生だった頃、そういったコンセプトアートやその場の空間を材料に組み込んだインスタレーションなども出てきてますます訳が分からんようになってきた。今もそんな状態の延長上にある。

 文明開化から何も疑わずに西欧文明を猿真似してきた我々は、ここにきてはたと気がついた、西欧人でもない我々がなぜ油彩画を描くのか?そこでさて油彩画というのはそもそも何じゃいなとうことで徹底的な祖先帰りが始まったわけだ。そして全てのものを根本から洗いなおしてみるというイチダイブームが起きた。

 油彩画のもっと前のテンペラ画とかフレスコ画とかそういった画法、技法が一躍スポットを浴びたんだな。今は巨匠になってしまった絹谷さんなどの仕事が評価された時だ。さっそと有元利夫が出てきてあちらに行ってしまった。

 私はそこから一つだけ影響を受けたのは油彩でなくてもいいということだ。絵の具も顔料から取り寄せたり、建築材料の顔料をつかってみたり、基底材はキャンバスでなくていい、紙や布土なども画材として画面に持ち込めることを知った。随分と選択は広がったように思う。

 根本は何を描きたいのかということだろうな。描くことは多分一つだ。 

 昨日女優の大竹しのぶのドキュメント番組をやっていた。彼女は女優としては天才的なところがある。まぁ私生活では男を惑わす毒婦のようなところもあるけれどね。その彼女が答えて「お客さんは役者の裸をみたいのですね、さらけ出した裸の姿を見たいのですね。恥ずかしがって出し惜しみしたしたようなものは私はみたくないですね」

 覚悟が必要なんですね。
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無題
お書きになったブログ記事と画像をどのように記録しておられますか?
以前、いつ急に終わってしまうかも知れないから保存しておく必要があると書いておられたと記憶しております。ご教示ください。
飯野 2010/05/06()13:42:33 編集
こんにちは。
 そう、こんな簡単な日記でも無くなってしまうのは寂しいですね。それも選択の余地があるならまだ許せるのですが、有無を言わせない問答無用で消されてしまうのは悔しいですね。無料であるというのはその可能性があるわけで、バックナンバーを取っておいた方がいいでしょう。

 私の場合、元々ここのブログは本宅の日記の写しなんです。ここに本宅はあります。
http://www2.journey-k.com/~enami/haru/diaryj.cgi
これは私のハードデスクの中にあるわけですから、クラッシュしない限り大丈夫でしょう。それから、ここにも不完全ながらバックアップが存在します。
http://www2.journey-k.com/~enami/mukasi.htm

写真は基本的にシャメなので自分の携帯のなかにバックアップは存在します。作品の写真はむろんCDに焼いてバックアップしてあります。

*アメブロのHPを読めばバックアップに仕方があるかもしれません。ただそこまでフォローしてないかな・・。
 自分の日記をコピーするやり方は慣れると下書きにもなりますし、そう面倒ではありません。参考まで。
はる 2010/05/06()14:52:35 編集
無題
ありがとうございました。最近は直接、ブログの画面に書き込んでいますので、書き込み前に自分のワープロの中に文書を残しておけばいいわけですね。
飯野 2010/05/06()16:29:17 編集
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