画家・榎並和春 2011/3からHPアドレスが変ります。
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パウル・クレーを観た。クレーは本国以外では日本人のファンが多い作家の一人ではないだろうか。かなり多くの作品が展示されていたけれど、初めて見る作品も多かった。クレー展覧会は何度も開催されていて、そのたびに見ているように思うけれど、今回も期待を裏切るものではなかった。クレーの作品はその質からそんなに大きな作品はなく、全てが掌握のかわいらしい小品だ。それがまた子供が書いたように作為がなくいいのだな。
今回のカタログはこれまた素晴らしいもので、厚さ4cmぐらいあって、いままでのように作品がずらずら並んでいるものではなく、展覧会のコンセプト「どうやって描いたのか」という解説がなされていて、ちょっとした論文のようになっている。そんなことも面白いと思った理由だな。
クレーの作品はよく観ると、今で言うミクストメディアの先駆のような仕事をしていて、画材も色々だ。描かれる素材もただの麻布だったり紙だったり、厚紙に布を貼り付けたものだったり、キャンバスに油絵というのは案外少ない。手法も一様ではなく版画のように転写したり、引っかいたり、普通に描写したものはほとんどない。
またタイトルもただの絵の説明ではなく、一つの詩になっているところも私にとって好ましいと思うところだ。会場にアトリエの写真が数多く展示されていたけれど、ごたごたした一見無秩序な混沌に見えるところがまたいい。すごく親近感を感じるな。
作品を間近に見ると、一つ一つは実にいい加減に作られているようにみえる。けっして計算して細かく繊細には描かれていないのだな。接着なども実にいい加減。色もけっして丁寧には塗られていない。途中で嫌になって放り出したようにさえ見える。作品を切って貼り付けるのだけど、その切り口がまた実にいい加減。まっすぐなものは一つもない。あえて不器用に切ったのだろうけれど、作為がない。ひょっとすると元々そういった綺麗にそろえて切るというセンスはなかったのかもしれない。
物事を作り出すというのはこういうことだと思うんだな。きれいに塗ったり貼ったり描いたりすることは訓練すれば誰でもかなり上手くなる。一番大事なのはそんなことではないよ、と言っているように思える。
今回のカタログはこれまた素晴らしいもので、厚さ4cmぐらいあって、いままでのように作品がずらずら並んでいるものではなく、展覧会のコンセプト「どうやって描いたのか」という解説がなされていて、ちょっとした論文のようになっている。そんなことも面白いと思った理由だな。
クレーの作品はよく観ると、今で言うミクストメディアの先駆のような仕事をしていて、画材も色々だ。描かれる素材もただの麻布だったり紙だったり、厚紙に布を貼り付けたものだったり、キャンバスに油絵というのは案外少ない。手法も一様ではなく版画のように転写したり、引っかいたり、普通に描写したものはほとんどない。
またタイトルもただの絵の説明ではなく、一つの詩になっているところも私にとって好ましいと思うところだ。会場にアトリエの写真が数多く展示されていたけれど、ごたごたした一見無秩序な混沌に見えるところがまたいい。すごく親近感を感じるな。
作品を間近に見ると、一つ一つは実にいい加減に作られているようにみえる。けっして計算して細かく繊細には描かれていないのだな。接着なども実にいい加減。色もけっして丁寧には塗られていない。途中で嫌になって放り出したようにさえ見える。作品を切って貼り付けるのだけど、その切り口がまた実にいい加減。まっすぐなものは一つもない。あえて不器用に切ったのだろうけれど、作為がない。ひょっとすると元々そういった綺麗にそろえて切るというセンスはなかったのかもしれない。
物事を作り出すというのはこういうことだと思うんだな。きれいに塗ったり貼ったり描いたりすることは訓練すれば誰でもかなり上手くなる。一番大事なのはそんなことではないよ、と言っているように思える。
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