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画家・榎並和春  2011/3からHPアドレスが変ります。 → http://enami.sakura.ne.jp
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はる 2762
 就職するかしないか、と考えたのは二十歳前後の頃からだ。反対に言えば、なぜ皆何の疑いもなく就職活動をやって、やりたくもない仕事をして行くのか、仕事というものは何なのかもっとよく考えてからでもいいのじゃないかなどと思った。

 まぁ青臭いといえばそうだし、社会的にそういったモラトリアムが認められる余裕があったからだろうけれど、そのかわり仕事については良く考えた。企業というのが利潤を追求するというのが大命題であるならば、その社員もそれに従わなくてはならないわけで、そういったバリバリの企業戦士のようにもなれそうにもなかったしな。

 公務員になって理想をいうなら「全体の奉仕者」になるというほうがまだましな気もしていた。けれど仕事としてどうも今ひとつ魅力に欠けるなぁというのが本音だ。突き詰めると職人か百姓しかないんだな。後まぁなれるなら芸能の人というわけだけど、これは職業といえるのかどうか??。

 就職したくないというよりしたい仕事が見つからなかったと言う方が当たっているかな。かたちは今の子供達と同じように、ニートには違いないけれど、仕事について考え続けていたことは間違いない。

 でもまぁ、ほとんどの人がそれ以前に働かなきゃ食って行けないわけで、四の五の言ってないで与えられたことをやれ!というのもよく大人たちに言われたものだ。その仕事が合っているのかどうかなど、10年20年やってみて言えることだ、とね。

 これは、そっくり今の絵のテーマ「自分とは何者か」につながっている訳で、未だにその答えは出ていない。今は居直ってそれを考え続けることが仕事だなどと言っているが、宿題を先延ばしにしている小学生と変わりはない。

 絵を描くことが好きか?合っているのか?と聞かれるとこれもまた分からないなぁ。ここまで来てしまったからとりあえずはやっているけれど、本当はこうやってもの思いにふけって思索している時が一番好きなのかもしれない。

 まぁ何のためにもならん独り言みたいなものだ。

 
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