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画家・榎並和春  2011/3からHPアドレスが変ります。 → http://enami.sakura.ne.jp
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 油彩画を描いていた時は一応H型という据え置き型の大きなイーゼルがアトリエを占領していた。漫画などで画家と言えばそういったイーゼルに絵を立てかけて、絵の具を山盛りにしたパレットを持って絵を描いている姿が描かれているけれど、私の場合そうやって絵を描くことはほとんどない。

 気がつけばアトリエの床に直接座り込んで、どこにでも絵を立てかけたり寝ころがしたりしながら描き込んでいる。いつも同じ調子で同じように絵を描くこともない。やりながら考えて、上手く行かなければ水をぶっ掛けて流してしまう。一度ボンドで張り付いた布はちょとやそっとでは引き剥がせない。カンナをかけるかヤスリをかけるかペンチでもって引きちぎるしかない。その跡がまた面白い効果が出ていたりする。

 パレットなどというしゃれたものもない。いいものを使ってもアクリルの場合すぐにだめになってしまう。筆やナイフもすぐに固まって使い物にならなくなる。だから生徒の残り物で充分だ。↑の水入れは古い洗面器だし、絵の具を解く皿は使い捨てのどんぶりだ。これが非常に役に立つ。

 工場か左官屋さんかペンキ屋さんの仕事場に近いように思うな。
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