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画家・榎並和春  2011/3からHPアドレスが変ります。 → http://enami.sakura.ne.jp
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 毎年個展を開催するようになってもう20年ほどになる。よくネタが尽きませんねと言われる。まぁ実際、ネタはもう出し尽くした感はある。しかし、今のような形になるまでは本当にネタに困った。最初の頃は何か実際のものを見てスケッチしたものを元に作品化を図るわけだけれど、そんなものは二度三度描くともうネタに飽きてくる。大体似たような花とか風景とかが並ぶわけだ。

 こういったブログなんかも似ているけれど、何かこれぞと思ったネタを探していると明らかに何処か無理が生じてくる。毎日それほど波乱万丈な生活をしているわけだはないのでね。じつはこういった表現を続けるコツというのか、方法は絵画であろうが文章であろうがとてもよく似ている気がする。

 それは、ごくごく平凡な日常に何かしら書くことが隠れているということだな。それを見つけることができるかどうか、まぁこれも長い間の訓練というのか習慣で身につけることができるように思うけれど、大事なことは「好きである」ということだろうな。好きでなければ続かないし、やっても面白くないだろう。基本は「好き」ということだ。

 波乱万丈の人生も楽しいかもしれないけれど、とても疲れるだろう。若い時は作家はそうあるべきだのように思っていたけれど、まぁそういった作家が居てもいいけれどあまり近づきたくはないな。映画の小津安二郎のように本当に描きたいことは何気ない日常にあるように思うなぁ。奇をてらったものではなく、淡々とした日常にこと宝物が隠れていると思う。妙に演出することはない。

 その隠れた宝物を見つける眼を養うことが大事だろうな。それにはこうやって毎日何かしら書いたり描いたりすることだ。これがネタになる。
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