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画家・榎並和春  2011/3からHPアドレスが変ります。 → http://enami.sakura.ne.jp
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 公募展なんかでもそうだけれど、コンクールの功罪でよく言われるのが「射幸心」って言葉。で、射幸心をもつことはいけないことのように書かれていることがよくわからなかった。まぁ言葉の意味の元々はギャンブルの努力もせず単に偶然で一攫千金を狙う心構えをいうのだけれど、どうもいいやら悪いやらがよく分からない。

 若い頃に多くのコンクールに出品したのは、世の中に出る方法として、一番要領よく注目を集める方法はコンクールで大賞を取る事だということが書かれていた雑誌を鵜呑みにしたところもある。学歴も画歴もほとんどないような若造が、普通にまじめに地方で絵を描いて個展を開催すると言うだけではなかなか注目されないだろうと考えた。時代はバブリル真っ最中で色んなところで冠の着いたコンクールが開催されていた。で、手当たり次第にコンクールに出品したのはそういったわけだ。

 今なら「射幸心」の意味も分かる。例えばたまたま偶然に幸運なことに一等が当たったとしよう。絵画のコンクールはくじやバクチではないので、当たったという言葉は本当は間違いなんだけれど、コンクールで大賞を獲得する幸運は限りなくバクチに近いものがあるし、偶然の左右することも大いにあるわけだ。

 たまたま当たってしまうと、時に勘違いをおこす。芥川賞や直木賞を取って二三年大騒ぎして消えてしまった作家は何人いるだろうか。もちろんそこから運命を切り開いて押しもおされぬ大作家になった人も大勢いるのだが、絵画の場合ほとんど消える確立の方が大きい。運命のきまぐれで人生を踏み外してしまうのだな。

 まぁそのことを肝に銘じて、そのことに翻ろうされずに、反対に武者修行ぐらいのつもりで利用すれば適度なモチベーションの維持にも役に立つのでいいところも大いにあるな。 
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